美術や音楽などの芸術のほか建築や食など、あらゆる分野で学ぶことがあるフランスは、人気の留学先の一つです。本場で勉強したい、自分の力を試したいという人も多いと思います。ただし、何をどこでどのくらい学びたいかによって踏むべき手続きが違ってきます。そこで、フランス留学に関するあれこれについてお話したいと思います。
ただ注意しておきたいのは、フランス入国の際の行政的な手続きというのは、時期によって変わるということです。留学することが決まったら、まずはフランス大使館やフランス現地の移民局、警察などの公式HPなどで正確な情報を確認することが大事です。
■まずは留学する形式、内容、期間を決める
留学することが決まったら、まずは希望する滞在期間が3ヶ月以内か、3ヶ月を超えるかどうかを明確にします。もし留学期間が3ヶ月以内であれば、パスポートさえあれば(就労しないという条件で)特に必要な手続きはありません。また、ワーキングホリデービザを持っているという場合、3ヶ月を超える滞在であっても学生ビザの取得の必要はありません。
もしも3ヶ月を超えて留学したいという場合は、外務省機関である「Campus France」にて必要な手続きを行う必要があります。その際、留学内容によって15000円〜20000円の手数料がかかります。また、グランゼコールや医学部への留学や、フランス/日本政府給費奨学生としての留学といった特殊な場合を除き、あらかじめ入学を希望している学校に申請して入学許可を取得しなければなりません。
まずは自分がどんな形、内容でどのくらい留学したいかを明確にし、そのために必要な手続きが何かを把握することが大切です。
■Campus Franceでの手続き
3ヶ月を超える滞在の場合、まずCampus Franceの手続きとして、CEF オンラインシステムにてアカウントを作成し、フォーム入力を行います。その際、留学の目的や留学後のキャリアのビジョンなど、細かく聞かれるのでしっかりと説明できる状態にしておかなければいけません。
■長期ビザ、滞在許可証取得の手続き
Campus Franceでの手続きが完了したら、次は長期学生ビザの申請に移ります。長期学生ビザ申請の際には、銀行口座の残高証明などで特に経済証明をすることが必要になってきます。このビザはフランス入国後3ヶ月まで有効であり、この期間内に現地で滞在許可証の手続きを行います。
■1年以上の滞在は滞在許可証の更新が必要
学生の滞在許可証は最長1年であり、1年以上滞在したい場合はそのつど更新をします。ただし更新の際にはそれまでの学業の成績などを提出する必要があり、真剣に勉強していないとみなされると更新ができないこともあります。また、長期学生ビザでは法定労働時間の60%の時間内での労働が認められていますが、こちらも本業である学業の妨げにならない範囲で行わなければなりません。
■フランスでの学生のメリット
フランスでは、あらゆる機関で学生を対象とした割引制度が充実しているので活用しない手はありません。美術館や博物館、映画館などの文化施設においても学生割引がありますが、26歳未満に限られている場合があるので注意してください。
また、学生は年齢に関係なく住宅手当が受けられます。CAFという機関で必要な手続きを踏めば、申請後約3ヶ月から毎月振り込まれます。その際、フランスではよくありがちな、大家が税金申告をしていない住宅に入居してしまった場合書類が出せないことになり、住宅手当も受給できません。入居する際は、住居手当申請のための住居証明を書いてもらえるかどうかも確認しておくとよいでしょう。
■年々厳しくなる外国人の滞在許可
フランスは移民対策の影響から、年々外国人の滞在に対して厳しくなっています。特に学生は、真剣に目的をもって滞在していないと見なされると滞在許可証の更新も難しくなります。そういった意味では、同じような立場の学生の友人を作って情報収集をマメにすることも大切です。学生の本分は学業をいうことを常に念頭に置いて、充実した学生生活を送ることがフランス留学の成功のカギとなります。
【参考】
フランス大使館 学生ビザ
http://www.ambafrance-jp.org/article3731
フランス留学に関する公式機関 Campus France
http://www.japon.campusfrance.org/ja